ゴルフが好きになればなるほど、クラブ選びは特別な時間になります。けれど、クラブ選びの前に行う試打というプロセスに、迷いや不安を抱える女性も少なくありません。今回は、“試打のしかた”そのものをレクチャー。「どんな環境で試打するべき？」「合うってどう判断する？」「何球打つのが正解？」など、多くの疑問に答えながら、納得できるクラブ選びへと導きます。
教えてくれたのは…杉田あすかさん／クラブフィッター兼レッスンプロ。ゴルフ歴3年で70台のスコアを叩き出し、ゴルフ業界へ。大手シャフトメーカーのフィッター経験を経て、ゴルフスタジオ「Fmill Studio Tokyo」にて活動中。USGTFティーチングレベルⅢ。クラブの相談からレッスンまで幅広くゴルファーの悩みに寄り添う“工房ガール”。
女性ゴルファーの“試打あるある”のひとつが〈まずはLシャフト〉をすすめられるシチュエーションです。ごく自然な提案ではありますが、普段硬めのシャフトを使っている女性にとっては戸惑う瞬間でもありますよね。
杉田「気持ちよくクラブ選びをするために、自分の情報を整理して、フィッターに伝えることをおすすめします。理想はマイクラブの持参。難しい場合、メーカー名やシャフトの硬さをメモしておけばOKです。ラウンド頻度・平均スコア・各クラブの飛距離や持ち球、現在の悩みを添えられたら、会話の精度が高まります。
そして、数字や表記だけで判断しないこと。L・A・Rなどの基準はメーカーごとに異なるため、『私はLだから』『普段メンズクラブだから』と決めつけず、打った時の感覚を大切にしてください。差し出されたクラブのスペックをあえて見ずに打ち、先入観を持たずに感覚を確かめるのも手です。
いつもと異なるスペックを提案されても、一度試打してみるのは大いにアリ。フィッターも“あなたにとって最適な一本”を探しているからこそ、提案を受け入れる柔軟さをもつことで、選択肢は広がりますよ」
クラブのスペックを知ることはなぜ重要なの？
同時期に発売されたシリーズでも、軽量モデルとハードヒッター向けなど、特徴が違うラインアップが存在します。シャフトフレックスもブランドによって基準が異なるので注意。1インチ、1グラム違うだけでも感じ方は変わります。具体的な例について、ほんの一部ですがご紹介します。
マイクラブの情報はここにある！
女性ゴルファーに限らず、自分自身の愛用しているクラブの情報を把握していない人は意外にも多いもの。クラブには情報があちこちに刻まれています。次のラウンドで、マイクラブをもう一度観察してみて。
ロフト角とははフェースの傾き（上向き角度）のこと。ドライバーならソールに刻印されていることが多い。シャフトフレックスは、シャフト中央やスペックシールに記載。40L、50Sなどのように、重さとセットで表記されることも。
スイングデータのポイントと見方
弾道測定器を使った試打では、飛距離やスピン量、打ち出し角などの数値があなたのクラブ選びのヒントになりま
す。ここでは、そのデータをどう読み取ればいいか、基本をおさらいします。
次回は、クラブ選びのときに知っておきたい用語集をお届けします！
撮影／高橋淳司 取材協力／Fmill Studio Tokyo 2025年11月発行「Regina Special Edition」より転載
