「レーザー距離計」や「GPSウォッチ」はスコアアップにこだわるなら絶対持っておきたいアイテムです。でも、購入を検討するときに悩ましいのが、どんな価格のアイテムを選べば良いのか、ということです。市場には3万円以下の比較的リーズナブルなものから10万円近いハイエンドなものまでさまざまな価格のものが用意されていますが、どんな違いがあるのでしょう。今回は価格による違いやこれから購入する人におすすめな高コスパなアイテムをご紹介していきます。

◆リーズナブルな価格帯でも十分な性能を備えている
コースできっちりとスコアメイクするには、「距離」の情報が欠かせません。ピンなど、ターゲットまでの正確な距離を把握していなければ、正しい番手を選ぶことはできませんし、たとえナイスショットを打ってもグリーンをオーバーしてしまうなど、良い結果は望めません。プロや上級者になるほど、距離の情報の大切さをよく理解しているので、「レーザー距離計」や「GPSウォッチ」を持ち歩き、ラウンド中のさまざまなシーンで活用しているのです。
このように、スコアアップを考えるなら「レーザー距離計」や「GPSウォッチ」はマストで持っておきたいアイテムです。しかし、いざ購入しようと決意しても、メーカー各社の豊富なラインナップにどれを買えば良いかと迷ってしまうかもしれません。最近では多くのメーカーが距離計の分野に参入し、3万円以下のエントリー機から10万円近いハイエンド機まで、デザインや機能、価格の違うさまざまなアイテムが用意されています。
決して安い買い物ではありませんし、長く使うことになるものですから、価格でも、性能でも満足のいくものを選びたいところです。
そこで今回はVictoria Golf新宿店に在籍するゴルフアクセサリーアドバイザーの石岡修造さんに距離計選びのポイントについて話を聞いてきました。

Victoria Golf新宿店の石岡修造さん。ゴルフ関連アクセサリーに関する知識が豊富で、目的やレベルに合ったモデル選びをサポートしてくれます
「まず『レーザー距離計』でも、『GPSウォッチ』でも価格によって大きく変わるのは使える機能の数です。特に『GPSウォッチ』はその傾向が顕著で、スマートフォンと連携することで距離以外の情報(風向き、強さなど)を知ることができたり、ラウンドを重ねるとAIが距離に対する推奨番手を教えてくれるなど、さまざまな機能が使えるようになります。
一方で、シンプルに距離を測る性能だけで言えば、低価格なものでも高価格なものでも大きな差はありません。『レーザー距離計』はエントリー機でも十分な計測スピードでストレスなく使えますし、『GPSウォッチ』も必要十分なコースに関する情報を得ることができます。初めて距離計を購入するなら、お手頃な価格で機能も十分な高コスパモデルがおすすめで、まずはコースで距離を測るということに慣れていただくと良いかと思います」(石岡さん)
◆ピンポイントで測れる「レーザー距離計」とメーカーごとの特徴がある「GPSウォッチ」
初めて距離計を購入する人におすすめな高コスパモデルをご紹介する前に、「レーザー距離計」と「GPSウォッチ」の選び分けについて解説していきます。

ラウンドしていて目で見たピンや木、ハザードまでのピンポイントの距離を知ることができる「レーザー距離計」
「『レーザー距離計』はピンだけでなく、木やバンカーのふちなど、気になる地点までの距離をピンポイントで測れることが特徴です。モデルによっては高低差を測ることもできますので、どの番手で、どの方向に打っていくかというコースマネジメントをする上で大きな助けになります。

最新の「GPSウォッチ」はとにかく軽量で腕に付けたままプレーしても全くストレスがありません。持ち運びやすさは最大のメリットです
一方で、『GPSウォッチ』はコースレイアウトを絵で見て確認しながら、距離を知ることが可能です。モデルによってはハザードまでの距離やグリーンのフロントエッジ、センター、バックエッジなど、細かな距離を知ることができますし、グリーンの傾斜を表示できるものもあります。また時計型で腕に装着したままプレーが可能なので、持ち運びやすいこともメリットと言えるでしょう。距離の正確さなら『レーザー距離計』、情報量の多さなら『GPSウォッチ』という違いもあるため、自分のプレースタイルや好みに合ったタイプを選ぶことが大切です」(石岡さん)
◆【レーザー距離計のおすすめモデル1】グリーンオン『レーザーキャディ GL04』
ここからは石岡さんが厳選してくれた「レーザー距離計」と「GPSウォッチ」それぞれの高コスパモデルを紹介していきます。「レーザー距離計」の1つ目のおすすめモデルはグリーンオンの『レーザーキャディ GL04』です。

シンプルなデザインで必要十分な機能を備えたグリーンオンの『レーザーキャディ GL04』。初めての『レーザー距離計』におすすめです
「グリーンオンという名前に聞き馴染みのない方も多いかもしれませんが、高コスパなモデルを多くリリースしている今、注目のメーカーです。『レーザーキャディ GL04』は3万円を切るエントリー機になりますが、0.2秒以下のハイスピード測定や高低差の計測、連続測定など、機能が豊富でかなりコスパの良いモデルです。約142gの軽量ボディでポケットに入るサイズになっていますので、持ち運びやすさも◎。初めて『レーザー距離計』を購入するなら第一候補になるモデルですよ」(石岡さん)
『レーザーキャディ GL04』はサイズがW35×H62×D101mmで、重さが約142gです。
◆【レーザー距離計のおすすめモデル2】グリーンオン『レーザーキャディ GL04プロ』
グリーンオンが「レーザー距離計」の最高峰のモデルとして最近リリースしたのが『レーザーキャディ GL04プロ』です。

4万円を切るモデルとは思えないほど高機能なグリーンオン『レーザーキャディ GL04プロ』。程よいサイズ感で持ち運びやすさも備わっています
「1つ目に紹介した『レーザーキャディ GL04』のアップグレード版で、液晶がより見やすくなり、機能も追加されています。ユニークなのはスマートフォンとペアリングすることで傾斜と気象情報を加味した目安距離、「ハイブリッド補正」が使用可能なことです。他にも離れた位置からボールとピンまでの距離を測れる「3点間計測モード」を搭載するなど、4万円を切る価格ながら、豊富すぎる機能を搭載しています。初めて『レーザー距離計』を購入する方だけでなく、買い替えを検討している方にもおすすめなハイエンドかつ高コスパなモデルです」(石岡さん)
『レーザーキャディ GL04プロ』はサイズがW36.5×H63×D107.5mmで、重さが約180gとなっています。
◆【レーザー距離計のおすすめモデル3】ショットナビ『レーザースナイパー RAYS』
3つ目のおすすめモデルはショットナビが展開する『レーザースナイパー RAYS』です。

奥行きが約9センチで重さ約115グラムと軽量・小型な『レーザースナイパー RAYS』。価格帯も3万円以下でコスパは抜群です
「ショットナビは小型で高機能なアイテムを多く発売しているメーカーです。中でも『レーザースナイパー RAYS』は約115グラムと超軽量で、サイズも非常にコンパクトに作られています。『レーザー距離計』が持つ持ち運びにくさというデメリットを小型化することで払拭しているわけです。その上で計測機能もハイレベルなものになっています。遠くのピンでもしっかりレーザーを当てて計測ができ、ピンフラッグを優先して計測する「ピンシーク計測」など、十分な機能を備えています。スタイリッシュで飽きのこないデザインにもなっていますので、長く愛用できる高コスパモデルですよ」(石岡さん)
『レーザースナイパー RAYS』はサイズがW31.5×H56×D92mmで、重さが約115gとなっています。
◆【GPSウォッチのおすすめモデル1】ガーミン『アプローチ S44』
ここからは腕時計のように装着して使用する『GPSウォッチ』のおすすめモデルをご紹介します。1つ目は定番メーカーガーミンの高コスパモデル『アプローチ S44』です。

『GPSウォッチ』の定番メーカーとして人気のガーミン。『アプローチ S44』は小型・軽量で十分な機能を備えています
「有機ELディスプレイを採用していて画面が見やすく、タッチパネルも快適に動作してくれる『GPSウォッチ』です。ガーミンの中では標準的な位置付けのモデルになりますが、グリーンのフロントエッジ、センター、バックエッジまでの距離を表示できるなど、十分な機能を備えています。有料にはなりますが、機能を拡張して、グリーンの傾斜やコースレイアウト、3点間計測などが可能になるため、長く愛用できる『GPSウォッチ』と言えます。デザイン的にもオシャレに設計されていますので、普段使いが可能なこともメリットです」(石岡さん)
『アプローチ S44』はディスプレイサイズが直径1.2インチ(約30.4mm)で、重さが約42gとなっています。
◆【GPSウォッチのおすすめモデル2】ショットナビ『CRESR2 タッチ』
「GPSウォッチ」のおすすめモデル2つ目はショットナビの『CREST2 タッチ』です。

コースに関する情報量の多さが魅力のショットナビ『CREST2 タッチ』。対応コース数も業界最多となっています
「コースレイアウトが詳細に表示される『GPSウォッチ』で、距離の表示やグリーンの傾斜など、情報量が豊富です。日本プロゴルフ協会が推薦しているモデルでもあり、競技志向の方にぜひ試してほしいですね。装着してラウンドすると、自動でショットを検出、記録してくれますので、自分のプレーの傾向を分析することもできます。高精細なタッチスクリーンを搭載しつつ、左右に物理ボタンも配置されていますので、使い勝手の良さも抜群です。また、ショットナビは業界最多となる世界中の約6万のコースに対応していますので、海外でプレーする機会がある方にもおすすめです」(石岡さん)
『CREST2 タッチ』はディスプレイサイズが1.4インチ(約35.5mm)で、重さが約64gとなっています。
◆【GPSウォッチのおすすめモデル3】グリーンオン『ザ ゴルフウォッチ GS501』
「GPSウォッチ」のおすすめモデルで最後にご紹介するのはグリーンオンの『ザ ゴルフウォッチ GS501』です。

1.78インチと大きめのディスプレイで重さ約42グラムと軽量に設計されたグリーンオン『ザ ゴルフウォッチ GS501』。装着感の良さや機能性の高さなど、あらゆる面でハイレベルなアイテムです
「3万円台の前半と価格を抑えながら、視認性の高い有機ELディスプレイを採用した『GPSウォッチ』です。とにかく画面が見やすく、日差しの強い日などでもしっかり距離の情報を確認できます。タッチパネルの動きも快適で、コースレイアウトやグリーンの傾斜、スコアの入力などをスムーズに行えることもポイントです。事前に番手ごとの飛距離などを登録しておくことで、ショットを打つ地点からの推奨クラブを表示してくれる機能やスコアの自動記録など、機能性もハイレベル。スマートフォンと連携することでスマートウォッチとしての使い方も可能ですので、非常にコスパの高いアイテムの1つです」(石岡さん)
『ザ ゴルフウォッチ GS501』はディスプレイサイズが1.78インチ(約45.2mm)、重さが約42gとなっています。
◆話を聞きに行ったのは「Victoria Golf新宿店」
新宿駅徒歩1分の好立地にあり、9フロアに渡ってあらゆるゴルフギアを揃える超大型店舗。クラブ、アクセサリー、アパレルなど、それぞれのギアに精通したスタッフが常駐し、相談しながら購入可能です。

撮影/近澤幸司 取材・文/田辺直喜





