2026年『TOUR B X/XS』がお目見え! 古江彩佳プロ&嘉数光倫プロが語った新モデルの印象は?

女性ゴルフイベント「Regina Open」で行ったアンケートでは、『TOUR B』シリーズを使用している女性が最も多いという結果になりました。ツアーボールとして女性ゴルファーの間にも定着しつつある存在だからこそ、次のモデルがどう変わるのかは気になるところです。

2026年モデル『TOUR B X/XS』の正式発表を前に行われたメディア向け体験会には、古江彩佳プロ、嘉数光倫プロがテスターとして登場。アプローチ練習場やドライビングレンジでの試打に加え、コース内でも実際にショットを披露しました。

編集部員はこの日、嘉数光倫プロと同組でホールを回り、新しい『TOUR B X/XS』を実際のプレーの流れの中で取材。コースで披露されたショットや、古江彩佳プロ、嘉数光倫プロがそれぞれに語った印象を交えながら、新モデルの手応えと魅力を紹介します。

プロがボールを変えるタイミングは?

ツアーボールは約2年ごとにモデルチェンジされますが、プロはどのタイミングで新しいモデルに切り替えているのでしょうか。体験会の場で、その考え方を聞きました。

「シーズン中に新しいボールを渡されることは多いと思います。ただ、競技に集中するという意味では、やっぱりシーズン中に変えることはあまりしません。基本的にはオフにしっかり試すことが多いですね。
とはいえ、切り替えやすさという点では、ここ2〜3モデルはかなり自然です。細かいところを言わなければ、黙って渡されても気づかないだろうな、と思うくらいです」

と嘉数プロ。同じ質問に対し、古江プロも近い感覚を口にしました。

「私もちゃんと試してから試合に臨むタイプなので、途中で変えることはほとんどありません。ただ、感覚が大きく変わらないように作ってくれている分、切り替えで困ることはあまりないですね」

口をそろえて違和感のなさ、切り替えやすさを語ってくれたおふたり。この点について、開発担当者は次のように説明してくれました。

「打感は、選手からとくに厳しく言われる部分です。最近は感覚を数値化できるようになり、評価方法も確立されてきました。ここ2~3代は、フィーリィングは変わらないけど、気づいたら性能が上がってるってとこを目指しています。さまざまな解析を行い、プロにとって違和感が出にくいところまで落とし込んでからテストを重ねています」

イメージどおりに運びやすく、フェースに乗せて寄せやすい

今回、古江プロと嘉数プロが中心に使用していたのは『TOUR B XS』。前作からの変化について、まず古江プロは風の中での印象を挙げました。

「もともと風に強い球だと思っていましたが、より風に強くなっていると感じました。音や打感、フェースに食いつく感じが好きで、操作しやすいと感じるのはXSですね」

一方、嘉数プロはこの日を、切り替えの中でも特に打ち込めた一日だったと振り返ります。

「XもXSも風に強いと言われていますが、今日打っていて感じたのは、右に行ったり左に行ったりしても、その振れ幅の中に収まってくれる印象でした。これが“風に強い”ということなのかなと感じましたね。前作と比べると、気温の影響もあるかもしれませんが、打感が少ししっかりしたようにも感じます」

ツアーではXを使う男子選手が多い中で、それでもXSを選ぶ嘉数プロ。その理由は明確です。

「僕は完全にアプローチですね。スピン性能だけでなく、食いつき感や柔らかさ、初速、球の飛び方がゆっくりに感じるところも含めてです。固いシチュエーションでは、その違いがすごく効いてきます」

アマチュアゴルファーにとっては、Xを選ぶべきかXSを選ぶべきか悩ましいところです。嘉数プロは、『TOUR B X』をおすすめしたいタイプについても、具体的に教えてくれました。

「飛ばしたい人はもちろんですが、アプローチで柔らかすぎるフィーリングが苦手な方や、止まりすぎることに抵抗がある方にはXが合うと思います。一般の方がプレーするグリーンなら、スピンより飛距離のアドバンテージが取った方が良いケースもあると思いますよ」

新しいTOUR Bを、ひと言で表すなら?

体験会&プレーをひと通り終え、最後に新しい『TOUR B』をひと言で表すとしたら、という話題に。

古江プロは「“耐”ですね」ときっぱり。「風にも耐えるし、丈夫で長く使える耐久性もある。ゴルフではスコアも耐えたいですし、その意味も全部含めてです」

続いて嘉数プロは「“操”る、です」と回答。「“風に強い”という言い方もできますけど、僕は、風がある中でも操作できる、という意味合いで受け取りました」

「耐える」と「操る」。前作の性能をベースにしながら、新しい『TOUR B X/XS』が、風の中での安定感と操作性を意識した仕上がりであることが、プロの言葉から伝わってきました。

女性ゴルファーにとっても「ボールを決める」ことには意味がある!

今回、プロふたりの話を通して共通していたのは、ボールが変わることで生まれる感触の違いを、できるだけ少なくしているという姿勢でした。
1ラウンドの中でボールが入れ替わる状況についても、「感覚がつかみにくくなる」「精度が落ちる」と率直なコメントが聞かれています。

そうした話を踏まえると、私たちアマチュア女性ゴルファーにとっても、毎回違うボールでラウンドするより、ひとつのボールに慣れていくことには確かな意味がありそうです。打感や球の出方、距離のイメージが積み重なっていくことで、自分なりの基準が少しずつできていく。その積み重ねが、プレーの安定につながっていくのかもしれません。

『TOUR B』シリーズは熱意ある女性ゴルファーからも高い支持を集めているボール。その最新モデルがどんな進化を遂げているのかは、スコアアップを目指す女性にとって、あらためてチェックしておきたいポイントです。

正式発表は1月予定。その全貌が明らかになる日を、楽しみに待ちたいですね。

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